負けると、判っていながら

 午後5時すぎ、曇天。最高気温29度。真夏のような暑さが連日続いている。外を歩くにも、日傘なしではつらい。

 ネットの記事では、「東京オリンピックに突き進む日本政府は、先の大戦の、終戦間際の日本のようだ。負けると、判っていながら突き進んでしまっている」とあった。残念ながら、その通りである。世界中からオリンピック開催に否定的な声が聞かれ、併し、日本政府にだけは、声は届いていないようで、まったく反対の宣伝ばかりをしている。曰く、「安心安全」とお題目のように呟き、併し数値化された根拠もなく、祈りのような、呪いの言葉のようになってしまっている。

 今度の場合、戦犯は明瞭である。先の大戦では首相をつとめた者も断罪された。今回も、そうなることは明瞭である。併し、今の首相は罪を認めず、いまコロナ禍にあってもオリンピックは大丈夫と言っているように、どんなに被害が拡大しようとも、日本で死者が増えようとも、東京オリンピックは「安心安全」な大会だったと言うつもりでいるのだろう。この首相にも、正義や良心の観念がない。それが判っていながら、止めることができない。まさに、歴史は繰り返される、である。黒歴史は繰り返すのである。

 だれか、止めてくれ、と言いたい。むざむざと死んでゆくのを、ただ見ているだけとは情けないかぎりである。