コロナ禍問題

 午後2時すぎ、曇天。気温29度強。ようやく殺人的気温から解放された心地である。29度で快適と思えてしまう錯覚は悲しい。併し、兎に角、涼しいと感じてしまう。

 コロナ禍で、今、不審に思えている事柄をいくつか書いてゆきたいと思う。

●コロナ禍は大丈夫と云う言説

 たしかに、日本の感染者数、感染状況を見ると、大丈夫のような気もしてくる。併し、大丈夫と云うことにしたい勢力が、大丈夫と宣伝しているようにも思える。今、大丈夫なコロナ禍状態にしているのは7割、8割方いる大丈夫ではないと思っている勢力が自身の欲望を封印して外出を控え、濃厚接触を避けて踏ん張っているからではないだろうか。

 詳しい感染状況を開示しないで、ただ大丈夫と言われても信じられないわけである。つまり、どれだけ若く健康な者が死亡したかを開示してほしいわけだ。コロナの強毒性の部分を開示しないと対策が打てないと思う。また若く健康な者の死亡例を特例として不問とし、研究、開示しないのは不信感をあおるだけである。

 「森を見て、木を見ず」式を押し通す政治は恐怖でしかない。たしかに社会全体のことを考えると、森を守るのは正しく感じられる。併し、木である個人は、自分が枯れないように最善を尽くすのは当然である。森の木、12万本のうち、1本が枯れる計算である。もっとも、政府の公式発表なので、あてにならないが、10倍枯れる計算で1.2万本のうち1本、100倍枯れる計算で1200本のうち1本である。枯れる、を死ぬとしないで、健康体でない、障害を負う、とすると、判りやすい。大多数の不安を感じている人たちは、健康体でいられない、不自由な生活になる、生活の質が落ちることを心配しているのである。いくら、死ななくても、寝たきりや、仕事ができない、長時間うごけない軀では困るのである。今回のコロナ禍は、それらの恐怖が自分の隣り、すぐ横にあると云う恐怖である。そこのところを楽観主義者は理解しないと、心配をする者たちを理解することは出来ないだろう。

 世代間の可視化できない軋轢は、コロナ禍にあって一段と酷くなった。そして、健康を自任する者と、健康でない者の軋轢も同様である。健康でない者は老人が多い。若年層にも健康体でない者はいるが、世代間の軋轢を、おもに老人対若者とすると、若者はコロナ禍を使って老人に復讐している、となる。若者は、老人の敷いたレールの上を走らされ搾取されてきたので、老人に対しては、反抗的になる。・・・勿論、これらの思いは私の考えにすぎない。

●感染者は悪くないという言説

 病気になった者を非難することはできない。当然である。併し、危ない行為をして病気なる者、たとえば、コロナパーティーなどで、わざと感染して、それを、また他人に感染させようと考える者はどうであろうか。

 コロナバーティーほどでなくても、ホストクラブやキャバクラ、バーやスナックなどの濃厚接客をする飲食店での感染者はどうであろうか。許容できる感染者だろうか。

 学生寮などで集団感染した学生のことが記事になっていたが、学生は、たしかに悪くないと思う。被害者である。では、加害者は誰であるか・・・加害者探しは、ただの自粛警察のようになりそうだが、ここでは、しっかり感染の原因を追究しないと、今後も続々と感染者が出てしまう。コロナ禍にあって学生寮の運営は不可能である、と云うことを知るべきである。漫然と、旧態依然の運営はできないと知るべきである。

 感染者の質の問題がある。きわめて、ザックリと書くと、一番悪くないコロナ感染者は、入院していて病室から一歩も出ずにコロナ感染した病人である。入院していて、そこでコロナ感染して死ぬとしたら、それは殺されたと感じるかもしれない。完全なる被害者である。殺人者が特定できない、または特定しない殺人事件のように感じるかもしれない。次に悪くない感染者は、家から生活必需品の購入のみの外出で感染した者である。テレワーク、リモートワーク従事者であろうか。また次に悪くない感染者は、通勤して感染した者である。コロナ禍の時世で通勤電車に乗りたい者はいない。仕方なく通勤し、仕事をしているのであろう。また次に悪くない感染者は、通勤して外食して感染した者である。飯を食うな、とは言えないが、緊張感がないのも確かである。また次に悪くない感染者は、通勤して外食し、バー、スナックなどでカラオケを歌い、濃厚接触をした者である。通勤するのは食うためにしたのであり、バーやスナックのカラオケは仕事の接待で使用したのであり、仕事のうちである。

 どこまでの感染経路の感染者を許容できるかは、置かれている立場により異なるだろう。すべての感染者を許してしまえば、感染防止策は水泡に帰してしまう。欲望のつよい者の順に感染者が増えてゆき、街に棺桶の列ができるだろう。

 感染者には感染経路の質の問題がある。医療関係者はコロナ患者の治療にあたり感染したのであれば悪くないだろう。併し、感染経路が病院発ではなく、病院外であれば、たいへん問題になる。