単調な日々

 午前6時すぎ、曇天。今は暑くないが、どうかすると豪雨だったり、天候は不順であることが多い印象である。
 近頃はよく文章を書いているが、書けば書くほど考えが一定方向に煮詰まってゆく気がしている。併し、それは考えが煮詰まっているのではなくて、すでに煮詰まっていたものが顕かになってきただけかもしれない。文章を書くことによって余分なものが削ぎ落されていったのだろう。
 先日、篆刻入門の本を開いてしきりに感心していた。日本の篆刻の歴史は中国にくらべて左程古くなく大宝律令の西暦701年ごろからで1300年ほどの歴史である。中国は春秋戦国時代には銅製の印があったので2500年の歴史はある。私は、篆刻の文字は篆書の太い白文で印面に4文字、前漢時代の雰囲気の物が好みである。前漢時代の物は、役人の役職名を彫ったものが主であるが、その所謂、雅印と云った物とはちがった堅い雰囲気がいい。
 50歳をすぎても、まだまだ勉強の日々で、再読していた本のなかに「潺湲」なる言葉で出てきた。これは「せんかん」と読む。これは以前にも読んで知っていた筈の言葉であったが、殆んど初めて見かけたような気がしている。いっときは覚えていたが、使わないのですっかり忘れ果ててしまったか、または、難読のため、飛ばして読んでそのままにしていたか判らないが、私のような不勉強な人間の勉強は死ぬまでずっと続くようだ。また「韜晦」「邂逅」は承知しているが、難読難解にちがいない。