物置の片付け

 午後8時半頃、曇天。気温摂氏15度。だんだん夜が寒くなってきた。
 近頃は、三島の実家にある物置の片付けをしている。四畳半程の広さの物置は天井に届く高さまで荷物が山積みで、不要な物を選別して廃棄してゆく作業は専門業者を呼びたいぐらいである。不平を言いつつ、それでも一日、二日と作業をしてゆくと、物置のなかもだんだん片付いて床が見えてくるようになり、作業を続けてゆく意欲も出てくる。
 作業をしていると、大量の荷物のなかに、私が若い頃に描いた油絵をみつけた。杜撰な保存で、油絵の画面はところどころ剥落して下塗りの絵具がのぞいている。今の私の画風とは随分隔たりがあり、私自身も興味深い。この油絵を描いていた頃は、葡萄の色がよく描けていたと思っていたが、いま見てみると、それほど上手に描けているとは思えない。どちらかと云うと色彩が平板で厚みがない感じがする。併し、絵画としてはこれでよいような気もしている。今これとおなじものを描けと言われても、なかなか出来そうもない。若いときは、若いときの良さがある。

▲19歳のときに描いた公募展初入選の油絵。