ホームレス本を読む

 29日、午前1時半前、雨はあがったようである。室内気温はエアコンをつけずに摂氏20度ぐらい。過ごし易い。併し、幾分湿気がある。
 今日の昼間、阿佐ヶ谷図書館から「ルポ若者ホームレス」飯島裕子著を借りてきて読んでいる。本の刊行は2011年1月10日でいささか内容が古くなっているが、貧困の実相は数年でそれ程変わるものでもあるまい。若者ホームレスは、自分がホームレスになっている自覚がないと本に書いてある。若者は40代50代の者たちにくらべて自尊心がまだ旺盛であるから、自分がホームレスと云うことを認めたくないのだろう。確かに、まだ20代30代で若いのでやり直せると思っているのだろう。併し、現実は厳しく容易にホームレスの生活から抜け出せない。いっとき抜け出せても、また逆戻りのホームレスになることが多いらしい。これは借金癖やアル中などの中毒者とおなじで、心の病なのかもしれない。謂わばホームレス症とでも言える症状ではあるまいか。ホームレスになる者の共通点は、たびたび職を替え、忍耐力に乏しく、先が見通せない、である。こう書いてゆくと、まるで私のことを書いているみたいで慌てるが、実際、私も10以上の仕事を転々として、アル中ではないが借金癖が30年治らず、しっかりした地に足がついた未来のことが思い描けないでいる。ただ忍耐力に関しては30年以上に亘って虚仮の一念で、芸術をお題目のように唱えてきたが。まあ、それだけは違っている。併し、皮一枚で繋がっているにすぎない。実は、ホームレス問題は、どのような立場にいる男性にとっても、いつ転落してゆくかわからない切実な問題なのかもしれない。
 木版画「ばら園」の彫版は少しだけ進展した。併し、まだ作業は残っている。小説集の版下づくりはほぼ終わり、表紙絵と本文中の挿絵の制作に掛っている。併し、構想の段階で逡巡している。
 体調は、昨日にくらべて良い。快方に向かったり悪化したりで、自分の軀ながら、よく判らない。原因不明のような塩梅である。併し、肩や腰が凝ると体調が悪くなってゆくようである。それだけは判ってきた。