私の二大体験

 午後11時まえ、曇天。本日の土浦市の気温15~26度。暖かい、と云うよりは夏先取りの暑い陽気であった。

 気がつくと、私たちは「凄い世界」にいる。世界的なコロナウイルス疫病蔓延と侵略戦争の世界である。どちらの事象にも、この頃は慣れのような諦めのような空気が流れている気がする。

 ロシアによるウクライナ侵攻は、ただ単にウクライナのみが侵攻されているのではなくて、全世界が覇権主義の脅威に晒されていると考えていいと思う。ロシアによる日本の北方領土不法占拠は、日本だけが蒙っている領土問題ではなく、ウクライナウクライナ東部で親ロシア派による独立問題があり、またモルドバにも親ロシア派による独立問題があるそうだ。ロシアのことに詳しくないので確かなことは言えないが、同時に三か所で領土問題がある国家と云うものは如何なものかと思う。もっとも、日本も領土問題に頭を悩ませている。竹島尖閣諸島の領土問題である。どちらも日本に非があるとは思えないが、それは私が日本人だから、そう思うだけなのか、だんだん判らなくなってきている。嘘も言いつづけていれば本当になる、等のことがあるが、これも、その類なのか、もう、どうでもいいような虚脱した気分になってくる。つまり、この世は、図々しい者が奪い取ってゆくだけの世界であろう。恥も外聞もなく、人非人と言われようが奪う、ただそれだけの虚しい世界が広がっている。

 世界的なコロナ禍だけでも手に余っているのに、侵略戦争とは・・・。ロシアはどうしてしまったのだうろうか。プーチンを支持するロシア人が8割を超えているという。正気の沙汰ではない。ロシア人は、ニュースを見たり、聞いたり、読んだりしないのか。ウクライナの子供が、銃で頭を打ちぬかれているニュースを知らないのだろうか。このニュースを捏造だと思っているのだろうか。ウクライナの人が何千人も殺されて、埋められているという。このニュースも捏造だろうか。遠い日本にいるとウクライナの砲撃の音は聞こえず、人々の苦しみも伝わってこない。完全に他人事である。日本の、土浦市のスーパーマーケットは平和である。静かに商品は陳列され、気持ちよく、適正価格で購買できる。幸せであるが、ウクライナの東部、南部では激烈なロシアの攻撃を受けて人々は落命している。連日の、ウクライナ戦争のニュースで、もう感覚は麻痺して、痛みは潜行して静かに躰を壊している。

 私は、体験している。戦争体験である。私のまわりには砲弾は飛んでこないが、目に見えない砲弾が私のまわりで幾つも炸裂して、私は被弾している。目に見えない出血があり、それは致命的である。私の心は蝕んでいる。プーチンに、ロシア人に侵されている。私は銃を手にするのは本意ではない。併し、抵抗しないと、ほんとうに相手は頭を打ち抜いてくる。そんなことはないだろうと思っていた。併し、案に相違して、ほんとうに打ってくるのであった。