コロナ禍・不穏な空気

 午後0時半、晴天。気温6~18度。暖かい、春の昼である。青い空、白い雲、おだやかな風。草葉のわずかなそよぎが心地いい。

 併し、いま人間界は騒然、阿鼻叫喚の地獄図(人々の心のなかで)である。新型コロナウイルスに人間社会は、あっ、と云うまに席巻され、文字通り息もつけない有様である。そして、愚かしくも人間同士で反目、敵対、誹謗中傷雨霰となっている。もともと日本社会はコロナ禍のまえから、生活の安定人種と不安定人種に分断され、一方的に不安定人種が虐げられる社会構造となっていた。そこに来て、コロナの出現である。

 10代、20代の若い人たちは、比較的コロナに強く、感染しても死亡する割合が低い。その為か、どうか判らないが、若い人たちでマスクをしない人が多いように感じる。マスクは、感染しない為ではなく、感染させない為のもので、マスクの着用は、他人にたいする対応の現れである。若い人たちは高齢者をどう思っているのであろうか。

 道路を歩いているだけで、他人が保菌者のように見えてしまっている。マスコミが宣伝するから洗脳されているが、たしかに1000人の人と行合うと、そのなかには保菌者がいてもおかしくない。3密を避け、出歩くなと宣伝するのは、その為だろう。

 併し、鎌倉の海岸を散歩したり、波乗りをするのを禁止するのは、どう云うわけだろうか。他県からの流入を嫌ってのことだろうが、3密でもなく、自家用車で来て、帰るだけだろう。飲食店も閉店していれば3密は発生しない。遊興客が来ると飲食店が営業の誘惑に負けて感染拡大するから、遊興客を来させないようにする。危険覚悟で仕事だけはさせ、娯楽を取り上げる。国民の発狂は寸前まで来ている。

 近所の公園へ行っても、コロナ禍のまえは、がらがらだった公園も人々で溢れている。おかげでベンチに座ることもできない。公園に入ると、先客たちの「気」が凄い。静かな「気」であるが、好意的ではない。不穏な空気である。これは、公園だけに限らずスーパーマーケットでは、一段と凄い。他人は、すべてバイ菌感覚である。

 

 こんな不穏で、不安定な生活が、あと三年も続くかと思うと、うんざりしてしまう。