午前10時半すぎ、晴天。風もなく、今は穏やかな右籾である。併し、冬の昼前は寒い。冷蔵庫のなかにいるような冷気である。
ポストカード制作はひと段落して、今度は、それらを纏める物が欲しくなり、ポストカードフォルダーを入手した。入手品は既製品のフォルダーであるので、それだけだと淋しい、素気のないものになってしまうので、フォルダーの表紙に絵を入れることにした。私の場合は、やはり木版の絵だろうと思い、そして、猫のポストカード集であるから、猫の絵柄に決まり、早速、版木を彫った。
彫るのは、楽しい。10年まえにくらべて彫る速度が半分になったが、楽しさの質はかわらない。
とりあえず、彫版は完成した。これから試し刷りをして、版を整え、刷り上がった木版画を版下にして、スクリーンプリント版を制作してポストカードフォルダーの布製の表紙に印刷する予定である。まだまだ制作工程が多く、多難である。併し、一つひとつこなしてゆくしかない。
今日は、気力体力ともに充分であるので、制作の続きをする。物置小屋に置いてあるインクの皿を取り寄せ、摺り台のテーブルを持ってきて、手刷りを開始する。
版の、印刷する部分に刷毛でインクをのせ、バレンで手刷りをする。
すると、たちまち、このように刷り上がった。この木版画を元にしてスクリーンプリント用の版を作る予定である。
