木版漫画制作・再開

 午後5時すぎ、曇天。本日の最高気温18度。随分、暖かい。たすかる気持ちである。冬よ、さらば。春よ来い、である。
 木版漫画「羅生門」の制作が、しばらく頓挫していたが、ようやく体調も恢復してきたので、今日はバレンによる印刷を一枚おこなった。併し、いつもながら手刷り作業は軀にこたえる。印刷に掛った時間は、3時間半。実に重労働である。これを他のことに喩えていうならば、小さいボートの櫂を3時間半漕ぎっぱなしの状態とでも言える。もっとも、ひと息入れつつ、また漕ぐようにしているが。そして、作業が終ったときには両手、両手首、両腕、両肩、首、腰、両脚ともに疲労困憊になって、ほんとうに半死半生の態になってしまう。歳をとってからの私の版画作業は、まさに命と引き換えの作業になりつつある。併し、何故か作業をやめられず、また止める気にもなれない。

▲ようやく印刷まできた。この羅生門の絵に雨を重ね刷りする予定である。建物には、手彩色をいれ陰翳を表現しようと思う。