カフェ・ド・ヴァリエテ

 午後4時頃、晴天。マキコとふたりで阿佐ヶ谷にあるカフェ・ド・ヴァリエテでコーヒーを飲んできた。マキコは以前この喫茶店へ行ったことがあったが、そのとき、ここが随分いい喫茶店だと連呼していた。わたしは、嗚呼そうかといい加減な返事をしていたが、今日行って、コーヒーをひと口飲んでみて、マキコが言うように随分いい喫茶店であることが判った。私は、深煎り豆で、ネルドリップ式の抽出方法を選択してみたが、このコーヒーが、まあ美味しいこと、びっくりした。・・・また、店内の椅子に坐っていると、白川静なる名前が聞こえて、それから店内に置かれたミニコミ雑誌(リトルプレス)からは富永太郎の名前があり、なんだか、いつもとちがった時間を過ごした。喫茶店を出ると、阿佐ヶ谷神明宮に立ち寄り参拝する。そして、猿田彦神社の小さな祠も参拝。仕事がうまくゆくように祈願した。
 木版画「ばら園」の印刷作業は順調に進行中である。背景の黄色の色版と薔薇の茎と葉の版の印刷は終了して、次は薔薇の花びらの版を刷ってゆく。赤色にしたいと思っているが、まずは淡い赤色で刷ろうと思う。
 先日、図書館で借り受けた石川啄木の日記を読んだ。啄木のことは、この日記を読むまえに啄木が登場する漫画を読んで日記の内容はだいだい知っていたが、改めて読んでみると、啄木が如何に非道い人物であるかがよく判った。こんな人物が近くにいる人たちは不幸である。まさに才あって徳なしの典型である。併し、後世の人たちからすると凄い文学者、歌人と云うことになるのだろう。世の中の不思議は、ここのところにある。