単行本は来年刊行!?

 午前2時前、晴天。室内温度20度。だいぶ涼しくなってきた。
 先日、アパートの庭木が、不動産屋が手配した植木屋によって刈られた。床屋で云うところの五分刈りのような塩梅で、庭の景色が激変した。私は鬱蒼とした森のような雰囲気が好きであったが、管理する側からみると森は具合が悪いらしい。細かい気遣いや配慮は不動産屋には無縁である。われわれ借り手は、ただ無感覚に部屋に住み、家賃を滞りなく収めればいいと云うことか。まるで狭い籠のなかに入れられた養鶏場の鶏のようにタマゴを産むだけの、家賃を収めるだけの存在でいいらしい。感性のちがう人たちと接していると、いつも世の中が儚いもののように感じられてくる。
 単行本「或る押入れ頭男の話」は来年の刊行予定である。まだ3ヶ月ほど時間があるが、すでに限定本用の小型の木版画を手刷りしたり手彩色を始めている。