2012年の半分

 6月1日、午前3時前、曇天。気温摂氏18度。どう云うわけか肌寒い気がしてセーターを着込む。
 2012年も、もう既に半分まできてしまった。併し、「幻燈」向けの木版漫画12枚を作ったきりで手がとまっている。漫画以外でも収入になりそうなことはないかと、あれこれ思案してみるが、実際やってみると、なかなか難しいことが多い。
 気晴らしに図書館へゆき、「日本の文学76 石原新太郎・開高健大江健三郎」を借り受ける。ぱらぱらとページをめくり、まず殆んど未読の大江健三郎の文章にふれてみる。一行、二行と読み進み、併し、内容が頭のなかに入ってこない。10行読み、20行読み、半ページ読んだところで、ようやくおぼろげに書かれている内容が入ってきた。併し、大江小説の世界に馴染めないために小説の成分が軀のなかに浸透することはなかった。それよりも、日頃から政治的態度ならびに人間性に反感をもって眺めていた石原新太郎の文体にしっくりとくるものを見出して怪訝な気持ちでいる。・・・開高健は、まだ読んでいない。開高健井伏鱒二を敬慕していたので、もしかするといいかもしれない。・・・石原は芥川賞受賞時に審査員の佐藤春夫に嫌われていたが、佐藤が石原を否定する気持ちが釈然としない。・・・さまざまに思いを巡らしている。
 今年も、半分のところまで来てしまっている。併し、なすところもなく連日のように陽ばかりが暮れてゆくようである。