今年も、あとわずか。

 午前10時前、晴天。気温摂氏5度。この頃は、発表するあてのない原稿(文章)を書いている。ただ書いているのではつまらないので、何かしら目標を立てている。併し、人に見せる文章だと、人が楽しくならないといけないので苦労するが、見せない原稿だと勝手気ままで、今度はこちらが楽しくていい塩梅である。私は、文章を褒められたことがないので、自分の文章がいいものか、わるいものか判断できかねるが、兎に角、下手の横好きであることは間違いない。唄のうまくない人が唄いたがるのに似ているかもしれない。併し、その気になっているときが多い。
 「根津権現裏」藤澤清造著を読んでいる。二割五分程読んだが、やはり大正時代の小説であるので、文体が古く、使われている漢字(漢語)も馴染みのないものが多く読みにくい。併し、描かれている世界は直截に物事が記されていていい。伏字が取り払われているのは西村賢太氏の功績だろう。