へいヘイ凡々と・・・

 10日午前1時半すぎ、晴天。気温摂氏14度。すこしづつではあるが秋が深まっているようだ。庭に置いてある青桐の鉢植えの葉も黄ろくなっている。
 体調は相変わらず、良くない。併し、ひどく悪いかと言うと、そうでもない。薬も効いているのか、効かないのかも判然としない。もしかすると病気ではないのでは、と云うような疑念も浮かんでくる。また、併し、悪いようなときもあるので、やはり、これは歴とした病気であろうと思いなおす。
 昨日、所用で荻窪へ自転車でゆき、併し、肝心の用事は果たせず、つまらぬ思いでいると、そこの近所に古書店があるのを思い出した。本は、私の書棚からあふれているので、もう買わないことにしていたが、古書店には全品3割引きの赤札が風でひらひらしていた。店頭のワゴンセールのなかには復刻版の純文学書がずらりとならんでいる。そのなかに珍しいものをみつけた。夏目漱石の直筆原稿「永日小品 山鳥」の複製15枚である。複製原稿は紙のタトウに入れてあり、原稿用紙は例の、漱石山房の半ぺら用紙である。私は不勉強で用紙の紙質がこれでよいものか分からぬが、この複製版の用紙はぺらぺらで半紙のような塩梅である。こんな紙に書いていたのか、と云う感慨である。これで傑作の数々が生まれてきたのか、と云ういっときの感激もあった。・・・それから坪内逍遥著「小説神髄」、谷崎潤一郎著「盲目物語」の復刻版も安価にて入手した。