2017年を迎えて

 午前6時すぎ、晴天。併し、まだ陽は登っていない。気温摂氏4〜13度。幾分気温が高く過ごし易い。
 それにしても新しい年を迎えられることは、ありがたいことである。この現実に感謝している、そして、今年こそはチカラの限り仕事をしてみたいと念願している。
 木版漫画「羅生門」の下描き原稿は、年末年始不休で進め、31枚目まできた。あと2、3枚描けば下描きは完成する。この作品は、前半のページに羅生門などの構造物を割合緻密に描いたので、彫版に際しても後半の人物描写のコマにくらべて時間が掛る予想である。1ページの彫版に1日から2日ほど掛るとして、33ページでは33日から66日掛る計算である。もっとも、ページによってはコマ絵に粗密があるので、あいだを取って49.5日ぐらいのものであろうか。勿論、49日強を連続して彫るわけにはいかないので、軀の休みを入れると60日ほど掛る計算である。それから、忘れてはならないのは、トレペ写しである。これは一日あたり4ページ掛るとして、33ページでは8.25日である。そして、これらの作業が終ったのち、バレンによる刷り作業では、一日あたり2枚〜4枚刷るとして、16日強〜8日強となる。もっとも、8日強など、数字の上のことで、実際は16日以上掛るのを計算している。これらを全て計算すると84日強である。そして、それから版下作業に掛るが、これは10日ぐらいを考えたい。兎に角、すべての作業を終えて、手許に版下原稿が上がるのは、早くても3ヶ月以降の4月すぎである。その日が来るのが待ち遠しいが、いつも木版漫画を作っていて思うのは、作品を作っていると歳月の流れが莫迦に早く感じられることである。あっ、と云う間に、1年が過ぎ、3年が過ぎ、10年が過ぎてしまった。併し、手許には木版漫画が一作、また一作と残っていった。