続・展覧会の準備

 午前3時半ごろ起床、気温摂氏25度、月夜である。展覧会の準備はいちにち経つごとに牛のあゆみの如く進んでいる。併し、このところ、ひと月先の暮らしがわからない状態が続いていて、展覧会の仕度をしながら、なにかしっくりこないものを感じている。そして、暮らしの水準の低さは大昔の放浪画家の長谷川利行谷中安規のルンペン生活にちかいものがあり、私のところでは一日の稼ぎがふたり合わせて2700円しかない。勿論、版画、冊子販売で得るお金もあるが、毎日あるわけではない。月にすると、とても暮らしてゆける金額にならないので、途方に暮れている。
 なにやら愚痴のようになったが、私は最近、テレビの「みんないい人」攻撃にまいっている。とくに朝の連続ドラマの「いい人」ぶりにはうんざりしている。あれは血腥い事件の修羅場や人の死の場面、通夜、葬式を描かない「サザエさん」の世界観に通じており、人生を一回休みにしたいときはいいが、いつもこうでは困る。これは人生の実相の事実に反している。併しまた、連日殺人事件が起こるサスペンス劇場もしっくりこない。