版画からタプローヘ

 午前5時ごろ起床、朝方生活である。展覧会の準備はほぼ終わり、あとは開催を待つばかりである。
 午前7時まえ、書棚からカシニョールの画集(展覧会カタログ)をとり出して、熱い珈琲を飲みながら見る。たしかに初期のカシニョールにはヴァン・ドンゲンからの影響がみられる。しかし、わるいものではない。わたしも、こんなふうに、自由な気持ちで絵が描いてみたいものだと、つくづく思う。なんだか、わたしは随分遠くまで来てしまったようで、振り返ると最初の頃の気持ちは遠くのほうで小さく霞んでいる。わたしは誰だったのか、もう一度考えてみたい。