モネの絵画

 午後4時、曇天。本日の土浦市の気温10~15度。時折、細かい雨が降っていて、寒い。すっかり、秋になった。夏は、終わったのである。これから冬が来るので、それに向かって躰を合わせてゆかねばなるまい。

 先日から、世界の名画が狙われている。イギリスの美術館でヴァン・ゴッホの絵画が汚されたと思っていたら、今度はドイツの美術館でクロード・モネの絵画が汚されてしまった。実際は、双方の絵画はガラス板で覆われているので、絵画の額縁が汚れたのであったが、衝撃的事件ではある。犯人たちは、環境活動家を名乗っているが、私から見たら、ただの文化財にたいするテロリストにしか見えない。

 環境活動家は「モネは自然を愛し、そのユニークで壊れやすい美しさを作品に取り込んだ。モネがその魔力を賞賛したこの世界そのものの破壊よりも、これらの現実のイメージのひとつが損なわれることのほうを恐れる人がこれほど多いのはなぜだろうか。キャンバスに描かれた牧歌的な世界に没頭するのではなく、現実を直視しなければならない。食料と水の奪い合いをしていたら、芸術を鑑賞する暇もない!」と言っている。併し、モネやヴァン・ゴッホの絵画にトマトスープやポテトスープを投げつけて汚すことが環境を良くしてゆくことに繋がってくとは、どうしても思えないところに、この環境活動家たちの破綻があると思う。彼らは、絵画を汚して地球の環境改善を訴えるよりも、環境を破壊している原因を取り除こうとしたほうがいいと思う。ほんとうに自分たちの活動が正しいと思っているならば、正しい活動をするべきである。絵画を汚したところで誰からも賛同はえられないし、第一、環境活動家たちが莫迦に見えてしまう。それに怯懦にも見える。ほんとうの活動から逃げて、こそこそしている者たちに見える。そして、自分たちの活動を信じていないようにも見える。はっきり言って、絵画と環境問題は別次元である。自分たちが取り組んでいる環境活動が一番重要に思えて、他は二の次、三の次になっていて、大切なものが見えなくなっている。環境活動家たちは、自分の信じている活動を嘘なく実行する以外にない。