ひとり清掃

 午前10時すぎ、晴天。本日の最高気温22度。今は、まだそれほど暖かくない。北風が吹いている。

 昨日は、午后すぎ、近所の花室川に単身で行った。バス釣りをするためであったが、川岸まで草が深くなっており、蛇も出そうな気がして、釣り場には行けなかった。遠くから川面を眺めると白鷺が浅瀬に佇み、大きな鯉がいくつか背鰭を見せて、ゆっくりと泳いでいた。相変わらず水質はわるい。竿を出す気になれず、仕方なく川上から川下にむかって自転車を押して歩いて行った。

 釣りができないときのために清掃用具であるゴム手袋、ゴミつかみ、ゴミ袋を持参していた。川岸を清掃しようと用意していたが、草が深くてゴミ拾いもできない。仕方がないので、花室川に掛かる橋から自宅のある方角のまっすぐな道の歩道でゴミを拾うことにした。

 案外、ゴミは多かった。道を通るたびに、いくつかゴミを目にしていたが、一時間ほどゴミを拾って歩くと、大きなゴミ袋が一杯になった。

 私が、ゴミはさみの道具でゴミを掴んでいると、そのすぐ横を車が猛スピードで疾走していった。たのまれもしていない清掃である。拾っているゴミは、たぶん車から出たゴミである。そのゴミを、疾走してゆく車の横で危険を感じながら拾っている。

 道は、ゴミがなくなり綺麗になる。併し、私の心のなかには解決できない思いが広がってゆくばかりであった。私には、人々を愛せるのか自信はない。たぶん、私は、その器ではないのだろうと思った。世間では、ひとりキャンプが流行っているが、山に自閉してゆくのではなくて、山の外に行って、本当の自分を見つめ直すのもいいのではないかと思った。