再・起動

 午後5時前、曇天。気温摂氏6〜14度。いよいよ秋から冬になってきている。この頃は、暖房なしではいられない。頭皮のつっぱり感は、今ではあたりまえのようになってしまっている。所謂、加齢による云々である。それと肩腰の凝りが原因かもしれない。総合的な原因によりそうなので、何かをすれば完全に良くなるとかはなさそうである。
 頭皮のつっぱり感の原因は、最近、再開した版画摺りが原因の一端であることは、まちがいなさそうだ。

 一日、二枚のペースで、木版漫画のページをバレンで手摺りしている。一枚摺るのに一時間ぐらいは軽く掛るので、一枚摺っては一時間近く肩腰を休め、気力の恢復を待ってから、もう一枚の刷り作業に掛る。だいたい二枚摺るのに諸作業を入れて四時間は掛る。これだけやると、もう版画摺りの作業はできない。聊か作業量が少ない気もするが、10年前でも、三枚から四枚を、今よりは荒っぽく摺るのがやっとであったので、今の年齢を考慮すれば妥当なところかもしれない。兎に角、継続して仕事をしてゆくことが肝要で、一日二枚でも、三日で六枚の作業量となる。
 昨日は、散歩のついでに図書館に寄り、画聖雪舟の画本を借り受けてきた。私は、雪舟をしっかり見るのは初めてであった。雪舟というと、墨絵、水墨画、中国帰り、山口の在、などの認識しかなかったが、結構、雪舟は長寿で、80代前半まで生きていたらしい。歿年数は83歳、87歳などと極めて曖昧であるが、兎に角、長命であったらしい。室町時代の晩期に、戦国時代に突入するという時期に、これだけの人生の長さであれば、あっぱれ、うらやましい部類に入ったものだろう。現代でも長寿の部類である。併し、これだけの長命でありながら雪舟の真筆とされる作品が多くないのは、やはり作品が戦乱を経てきたからかもしれない。雪舟はもっと仕事をして、いま残る作品の数倍の仕事をしたはずである。それから、大分県大分市にもしばらく滞在していたらしく、今度大分に行くことがあれば雪舟の足跡探しもしてみたいと思っている。