習字をする

 午後2時ごろ、曇天。気温35度。昨日、今日、明日と、焦熱地獄のような天候が続く。屋外にいると、すぐに意識が蒸発してしまう。植木も日陰に入れる。先日の猛暑に、一日陽に当てると、葉が半分枯れてしまった。

 連日の猛暑続きで、日中の外出は儘ならず、鬱々とするので、気分を変えて習字をする。習字の手本は、芭蕉の俳句の墨書である。書棚から本をだして、臨書する。

 勿論、うまく書けない。現代人に、しかも筆を持ったことのない者に、字は書けない。何度か書いてゆくうちに、自分が何をしているのか、文字を書いているらしいことが実感できる。併し、ボールペンで書くように書けない。文字を書いて、満足できないのである。うまく書けないのが面白いと言えば、面白い。それらしく筆跡に抑揚がつけば、なにか良いような、うまく書けたような気持ちもする。併し、うまく書けたからと言って誰も関心しない。褒められなない。ひとり習字、である。でも、楽しいような気もする。