災害ボランティア

 午前0時半、曇天。気温20度。とても涼しい。秋の虫の声もするようになった。台風一過、しかし、千葉県の房総半島では停電が続いていて、まだまだ大変である。完全に電気が復旧するまでに、あと最大2週間は掛ると言っている。家屋などの損壊に遭われた方々は、たいへん気の毒だと思う。お見舞いを申し上げる。

 それから、各地の被災地では損壊した家屋などの片付けにボランティアを募集する動きが出てきた。今回、私は、初めて気になったのは、各地行政などのボランティアを募集する際の要領のよさについてである。・・・作業しやすい服装、作業用手袋、マスク、ゴーグル、帽子、ヘルメット、タオル等の備品の携帯と、そして、健康保険証のコピーなど。日本国内で、何度も災害ボランティアを募集している為か、慣れている印象を受ける。

 そして、ボランティアに高品質をもとめているな、と思った。ボランティアの参加条件がとても高いのである。・・・被災地に行くのに自動車は不可で、被災地での水などの買物は不可。現地の住民が優先であり食糧、水は持参で、そして、野宿になる。善意で、無償で肉体労働をして、作業後には風呂もシャワーもない。家屋のある被災者はまだいい方だろう。被災者よりも生活の質を落としての野宿である。トイレはどうするのか。まさか、そのあたりの外でするわけにもゆくまい。簡易トイレ持参で、出たものは持ち帰りだろうか。・・・なんのためにボランティアに行くのだろうか。・・・それは、困っている人たちがいるから。しかし現地では心をすり減らすような、修行僧の修行のように厳しいものが待っている。これで、もし貧乏アパート住まいの青年が一戸建ての邸宅の片付けに行ったとしたら。意地のわるい見方かもしれないが、こう云うこともあるかもしれない・・・いま求められているボランティアの質はあり得ないな、と思った。しかし、これらの条件をクリアーして被災地に辿り着いたとしたら、これは、もうちがうものになっていると思う。勿論、ボランティア作業をすればボランティアとして完結するが。

 それから、テレビのニュースで被災地の家屋の屋根に上がっているブルーシート掛けをしている作業員たちを見たが、私にはプロの建築作業員のように見えたが、ほんとうに無償で作業をしているのだろうか。ニュースの解説ではボランティアとして紹介されていたが。なにか、大きな、気持ちの悪い流れが世の中にあり、それに巻き取られてゆく感覚を抑えることができないのは私だけであろうか。善意や好意は素晴らしいものであるが、その脇で、それらを操るものたちの姿が見えるのは私だけであろうか。