遠望不着

 午後4時、晴天。気温26度らしい。暑い、と思う。部屋の中で肌着一枚でうろうろしている。体調は、思わしくない。連日の座職のために、腰、肩がひどく凝っているようで、併し、あまり凝っている自覚がなくて、血行、リンパの流れがわるく、時折、吐き気のようになったりしている。尤も、吐き気はすぐに治まるが、兎に角、気持ちはよくない。季節の変わり目は、毎年体調を崩しがちになる。この頃は、木版漫画の制作は停滞している。併し、ぜんぜん仕事をしていないわけではない。

▲「羅生門」版木4枚をまとめてある。

▲「羅生門」版木6枚をまとめてある。
 木版漫画「羅生門」の版木10枚である。彫るたびに印刷していたが、このところ刷らずに溜まっていた。一枚の版木を彫るのに、3日から1週間ぐらいは掛っている。以前なら1日あたり1枚は彫っていたが、今は彫り急いでいない。実際、軀が思うように動かずに早く彫ることができないのではある。仕事は若いうちにやったほうがいい、とはここのところだろう。私の場合は、木版漫画をはじめるのが遅くて、40すこし前からであったが、20年早くやっておれば、なにかしら、しっかりした仕事になったかもしれない。