版画制作

 午後10時半すぎ、晴天。気温摂氏11度。
 昔に作った木版画「ふうせん」の多色刷り版を制作している。この版画は2000年制作であるから13年ぶりと云うことになる。これには墨版がもとにあるので、色版を三枚つくり、そのうち二枚だけを使うことにした。水彩絵具による色版刷りであるが、墨版とはちがっていても、やはりバレンによる手刷りにちがいはないので4枚分を8回か9回ほど刷ると、さずがに疲れる。だんだん年と共に疲れ方の度合いが深くなってゆくようで、ゆく先々が恐ろしいようでもある。
 併し、刷り上がって洗濯干しの洗濯バサミに挟まれてほされている4枚の色版を眺めていると若干の清涼感はある。絵をつくると云うのは、物を書くのとちがって透明感があり健康的である。