Xファイルを見ながら

 午前0時半すぎ、晴天。気温摂氏2度。外気は肌を刺すほどつめたい。
 近頃は、木版漫画「蜘蛛の糸」の冊子添付用の木版画をバレンで摺り疲れると、DVDでXファイルを見ている。今はシーズン1の22話目までを見た。これだけの数を見てくると、いっぱしの超常現象マニアのような気分になってくる。併し、この世界は奥が深いようで、このシリーズは9まであり、全202話すべて見るには相当な金銭と時間が掛りそうである。
 冊子の制作の進捗状況は100部手刷りする木版画は7割ほど完成し、あと2、3日ですべて終わる。併し、冊子制作の全体としては表紙印刷が不幸なことに印刷屋から印刷拒否に遭い、もう一度印刷屋探しから始めなければならない。本文の印刷は順調に進行中で、あと数日で完成をみる。・・・何度もやっている冊子制作であるが、何度やってみても不測の事態と云うものはつきもので、今回の印刷拒否、若しくは印刷不能の通知は衝撃的である。3週間待たされての回答であったが、何か、大切な何かが、世の中の機能から消えてゆく感覚をとらえていた。これは、今回が最初と云うわけではないが、世の中から、以前はよく目にしていた大切な何かが失われてゆく感覚である。・・・そう、金銭ではかえられない何か、ひとびとにとって大切な何かである。・・・私にとって、近頃の世の中は、何か見覚えのない世界のようで、Xファイルを見ている続きのようでもある。