水戸へ小旅行

 午后0時半すぎ、晴天。気温25度。暖かい午后である。庭のプランター栽培のゴーヤの実を収穫する。今年も、たくさん獲れた。飽きるぐらい獲れる。

 昨日は、茨城県水戸市へ行ってきた。所用があって出掛けたが、用事のまえに水戸観光をした。水戸は、私にとって初めての土地で、日本列島の北方面は、今のところ水戸市が最北の地である。

 水戸駅前は大きい。土浦市の二倍はありそうである。地方都市にありがちな閑散とした雰囲気はない。駅前南口の自転車駐輪場でレンタサイクルを借りる。電動自転車は1000円、普通自転車は500円である。私は電動自転車を借り受けた。

 借りた自転車を疾走させて、茨城県立美術館へむかう。併し、残念なことに休館していて見ることはできなかった。気を取り直して千波湖へゆく。

 千波湖の水位は高く、遊歩道より20センチ低いぐらいの感じである。なんとなく不安な気持ちになる。

 千波湖のむこう側には水戸市のシンボルが見える。自転車を走らせ、千波湖を半周する感じで、偕楽園へむかう。

 偕楽園へむかう湖畔の途中に水戸光圀公の銅像があった。

 蒸気機関車が展示されていたので、ついでに見学する。機関車の運転台にあがると、石炭を入れる口のところに小石がいっぱい詰められていて、なんだか胸が苦しくなった。子供のいたずらだろうが、機関車が乱暴されたような気がした。

 偕楽園のなかの建物「好文亭」である。佇まいに雅趣がある。

 侘びた佇まいがいい。きれいに掃除がゆきとどき清々する。

 建物のなかに入り、廊下に坐してみると、ご覧のような風景である。

 漆塗りの床も気持ちがいい。外光を取り込んで内と外の対比が見事である。硬質な静と、緩慢な動が印象深い。

 好文亭の二階からの眺望は秀逸である。とくに午后からの屋内の暗さを計算した、陰から陽へと、一瞬にして開ける明るい遠景に千波湖を取り込み、中景、近景へと庭木の配置が絶妙な構成になり、見る者を圧倒する。一階の中庭の、静寂な印象とは対照的である。