カタール サッカーW杯③

 午後3時半まえ、晴天。気温14度。初冬の寒さのなかでは、やや暖かい気持ちのする昼下がりである。

 昨晩は夜更かしをしてサッカーW杯ブラジル対クロアチア戦をテレビで見た。ブラジルのネイマール選手などの華麗なプレーを、今夜はしっかりと観戦しようと思い、試合の始めから見たが、クロアチア選手の荒っぽい、ほとんど違反行為と思えるプレーでブラジル選手たちの華麗なプレーが堪能できずに、試合開始早々クロアチア選手憎しとなって、テレビのまえでクロアチア選手に罵声を浴びせながら欲求不満になっていた。

 サッカーは、球技であるのにラグビーレスリング、柔道などの競技のように、相手の身体を押したり、服を掴んで引っ張ったり、身体を蹴ったりして球技の良さが半減している。

 クロアチアのサッカー選手は、肝心なことを忘れていると思う。得点することばかりを考えて、観客のことを忘れている。観客は、試合会場の観客は勿論、テレビのまえの視聴者も観客である。深夜、人生の時間をさいて観戦しているのに、クロアチアの選手は自分たちの勝利ばかりを求めて、華麗なプレーを見ようと思っている観客のことを忘れ切っているのである。もしも、クロアチアの選手のプレーが不正でないとしたら、私はもうサッカーを観戦することはないだろう。私たちはサッカー競技のなかに不正しか見つけることができず落胆しか見いだせない。

 敗戦したブラジルのネイマール選手は、いま何を感じているだろうか。私もネイマールの活躍を信じて観戦していたが、ネイマールの得点は1点だけで、結局、敗退してしまった。正義は勝たない。不正が勝つ、を目の当たりにした心地であった。