「羅生門」制作再開

 午後3時半、曇天。気温13〜19度。ようやく暖かくなってきた。この頃は、暖房なしでもやってゆける。
 4月4日頃に痛めた腰が、6日に悪化して、やっと昨日ぐらいから完治したと思えるようになった。一時は、坐っていて立ち上がるだけでも、ひと苦労であった。まったくもって日常生活に支障が出ていた。そう云う日々であったから「羅生門」の彫版作業も中止していて、今日の作業が5日ぶりであった。併し、作業再開と云っても、炬燵での作業も腰に負担がくるので、1時間半ほどやって休憩を入れ、また再開するかは腰の具合と相談と云うことになる。
 私の腰具合など、瑣末な話はさておき、実際、世の中では一大転換期、もしくは世界的規模の危機をむかえているのかもしれない等たいへんなことになっている。併し、テレビ、ネットのニュースでは、それほど騒いでいる印象はない。冷静と云うよりは、無関心に近いと言っていい。いま日本の運命は、3人の人物に握られている。ほんとうは朝鮮半島と日本列島は危機的状況にあるのかもしれない。
 どうすれば危機を回避できるのか。いま日本は国をあげて、国民すべてが考えなければいけない時だと思う。併し、平和ぼけの日本は核戦争用の防空壕も造らず、まるで防衛観念も普及していない。まるっきり他人事である。
 太平洋戦争当時、防衛観念の不備から国民の多くが空襲で命を落とした。そして、また、今おなじ轍を踏もうとしている。この国の人々は悲劇を忘れやすく、憎しみを維持しにくい。本来は、のんきな非戦闘的民族なのかもしれない。併し、今そんなことを言ってられない状況になりつつある。今度空襲になれば以前のように被弾しなければ無事と云うことにはいかないだろう。日本全国の原発の被弾により核放射能汚染で住める場所を殆んど失うのかもしれない。
 考えてみるに、もともと朝鮮半島の争いが、どう云うわけか日本を巻き込むことになっている。それは日本にアメリカの基地があるからであり、また日米安保があるからである。日米安保は時代のながれで決まったものかもしれないか、ここにきて解消したほうがいいような気がする。いま現在、日本には北朝鮮の核ミサイルは飛んでくるかもしれないが、アメリカ本土には核ミサイルは届かないのである。届きそうになってからアメリカは本腰を入れ、今まで日本に核ミサイルが飛んでくるのを黙認してきたのである。それは日本の政府も黙認してきたのかもしれないが、あまりにも危機感がなく、日本の国土と日本人を見殺しにしてきたと言っていい。
 日本人の体質は、アメリカの強権的なやりかたについてゆけないと思う。日米安保を解消して、日本は本当の独立をして、独立独歩で隣国と渡り合う時期に来ている。今回の朝鮮半島の混乱は、今まで決断を先送りしてきたツケが回ってきたと言っていいだろう。
 核ミサイルが飛んで来て日本が壊滅するぐらいなら北朝鮮と平和条約を結んだ方が、どれほどいいかしれない。今まで我慢強く北朝鮮と接してきて、これではすべてが水の泡である。それに、どんな形にしろ非戦を貫くことこそ肝要である。

 「日本政府は21日、都道府県の危機管理の担当者を集め、北朝鮮による弾道ミサイルの発射を想定した住民の避難訓練を早期に実施するよう呼びかけた。会議では、弾道ミサイルが日本に着弾する可能性がある場合には、政府が防災行政無線や緊急速報メール等で緊急情報を国民に伝える方針が報告された。そして、屋外にいる場合は、できるだけ頑丈な建物や地下街などに避難する、屋内にいる場合は窓から離れるか、できれば窓のない部屋へ移動するといった国民がとるべき行動について説明された。」と云うニュースがネットにあった。
 これは、いったい現実の出来事なのか?テレビでは、プロ野球中継を放送し、朝鮮半島情勢とは関係のない番組やニュースが目白押しで危機感がない。