今年も、アライグマ出現 !!

 午後1時すぎ、晴天。気温摂氏25度。昨日の31度にくらべれば、過ごし易い。
 今年も、私のアパートの庭では、枇杷の樹に黄色い実がなり、それを目当てにアライグマが出没しだした。夕方すぎると、枇杷の樹の枝ちかくの庇に、どたっ、と聞き慣れない音がして、枝をがさがさ言わせる。私が庭に出て、様子を窺っていると、ぴたっ、と動きをとめて、しかし、濃密な気配はしている。樹の上を見ると、暗闇でふたつの光っている目がこちらをジッと窺っている。どちらとも怪我をするといけないので、そろりそろりと、樹上のアライグマを見て気にしながらがら部屋にもどった。
 このところ、50の手習いと云うことで、文章修業に励んでいる。10代の頃、20代の頃、やたらと血気盛ん迂闊でものに成らぬと思っていたが、今では案外50と云う年齢のほうがものに成らない気がしている。運動能力で言うと、10代後半が人生の時間のなかで頂点で、その後は下り坂になる一方で、50では、はっきりと老残の季節で、腰が痛い、足が痛い、腕が上がらない、と上げればきりがないが、老化は筋肉や関節ばかりではなく、脳髄も老化しているのであった。今は昔よりは劣っている、と云う冷静な判断が出来ることだけが唯一年齢を重ねてきた成果である。
 手の指のあいだから零れる砂を惜しむように、残っている能力を掻き集めて文章を書いている。もっともっと若いうちに、体力のあるうちに努力をしていればよかったと、思わぬでもないが、これが、私の人生の答え、成績だろうと達観している。