冊子の表紙

 午前7時半ごろ、晴天、気温摂氏3度。寒い。寒すぎる。終日、部屋の暖房(エアコン)は強のままで、来月の電気代の請求がおそろしい。併し、東京はまだよい方で、北海道の旭川では氷点下10度以下などとニュースで言っている。もう、こう云う数字になると寒いと云う感覚は持てない。ただ、わたしには判らない世界である。
 冊子「唐傘奇譚」の制作は快調である。表紙の下絵も出来上がり、それを版木に写し取って、たちまち彫刻刀で彫りあげた。版木は2枚あり、あと1枚ある。これも順調にゆけば明日には終わる。それから冊子の帯文の下書きも出来上がった。この頃は、なにからなにまで順調に進んでいる。が、実は仕事の進行具合と歩調を合わせるように体調はおもわしくない。今は、しきりに歯が痛い。10日間ほどは痛んでいる。歯はわたしにとって、実際宿痾の如き感のもので、勿論、歯自体は病気でもなんでもないが、併し、わたしにとっては歯は必ず痛む筈のもので、わたしの歯痛の歴史は少年時から壮絶を極めていた。わたしの歯たちは実年齢を超えて、とっくに老齢期をむかえ、70代ぐらいである。