迷路のなかへ

 午後11時、晴天。気温摂氏17度。晩秋の筈であるが、暖かい。この頃は座っての仕事が多く、足腰が萎えている。すこし歩いただけでも腰が張れたように凝って仕方がない。また、両肩も凝っていて両手にチカラが入りづらく、両腕の筋がこわばっている。全身の油が切れたようでギシギシいっている。そういえば3年程まえより目もわるくなっていて、今ではハッキリ老眼であると言って差し支えない程である。眼鏡をしていると紙に書いてある文字など2尺程離してからでないと確かには見えない。
 まあ、いつものように愚痴ばかり書いても詮ないので、やめる。併し、愚痴は体調のことばかりではなく、もっと深刻なのは、わが家の経済状態である。これは体調不良どころの話ではない。なにしろお金がなければ首がないのもおなじで、命がないのも一緒である。また併し、お金の話はなにもうちだけに限らず、今はどの家でも苦しいらしく不景気の実感はたしかにある。
 話はかわり、私は今、新しい木版漫画づくりをしている。これは以前のように、猫ものではなく、また、押入れ頭男のような傾向のものでもない。謂わば新しい傾向のものと言っていいものである。制作は順調にゆけば年内には終わり、来春ごろには冊子のかたちで発表できると思う。