新作の木版漫画

 午前2時前、つめたい雨が降っている。気温摂氏10度。春頃から外に出していたゴムの鉢植を昨日ようやく部屋のなかに仕舞った。ゴムの木は春頃にくらべて一尺程も丈がのびたようである。
 いま、あたらしい木版漫画をつくっている。鉛筆による下書きはほぼ出来上がり、これは17枚ほどになりそうである。作品名を「唐傘奇譚」とするか、または「唐傘哀話」とするか迷っている。話の内容からすると哀話であるが、奇譚としてみたい気もしている。この漫画は最初、怪談として描きはじめたが、話を探ってゆくうちに悲しい物語になってしまった。怪談または妖怪の筈であったが、化け物の正体は案外こんなものなのかもしれない。