東京着

 午後2時すぎ、曇天。気温摂氏31度。8月3日の午後に東京に帰りついて、今は落ち着いている。三島ゆきの屈託払いに、古銭を研究したり、買ったりしている。版画制作の手は止まったままである。どうしても三島のことが常に念頭を離れず、気がかりで、また気にして順々に片付けていかないと私自身が困ることになるので、どうしても逃れることができない。
 8月11日には、12日に物置小屋の解体撤去の業者が来るので三島に行って段取りをしなければならない。併し、ようやく、これで長年の懸案であった物置小屋が片付くので、やれやれである。あとは実家にある自動車の廃車手続きと函南の山にある廃車処理、コンテナハウスの中の不用品の処理とコンテナハウスの売却である。どれもこれも不慣れな仕事で難渋が予想される。

▲篆書で貨泉と銘がある。

▲郭から輪にむけて4本の筋が伸びている。

 上に掲載したものは、気晴らしで購入した古銭「貨泉・背四道」である。これは興味のない者には、まったく関係のない、汚くて青錆の出た金属片にしか過ぎないだろうが、古銭マニアには、たまらない逸品である。この貨泉(かせん)も、漢王朝から簒奪して新(しん)王朝を建てた王莾(おうもう)による鋳造である。王莾は、ほかにも大泉五十や小泉直一、貨布、一刀平五千、契刀五百といった変わった形の貨幣もつくった。