書店めぐり

 午後7時すぎ、曇天。3月31日は神田神保町方面の書店へマキコとふたりで挨拶まわりをした。私の冊子の取り扱いをお願いしている夢野書店は、以前絶版漫画を取り扱っていた中野書店の店員をされていた方がはじめた漫画古書店で、すばらしい商品の数々で全国から漫画ファンが訪れている。
 書店めぐりもひと段落して、神田の歩道をあるいていると、ビルの谷間に、桜の並木があり、花は満開で、昼の陽光が桜の上からふりそそぎ、いっときの清涼な森林浴の気分であった。マキコが皇居に近いと言ったので、散歩のつもりで歩いていると、思いがけず一橋徳川家の屋敷跡に遭遇し、

▲屋敷跡は石碑のみで、今は屋敷は跡形もなく無縁のビルが建っている。
ほどなくして皇居の外堀が見え、平川門が見えてきた。

▲外濠の脇の桜も満開である。

物見遊山のつもりはなかったが、天候がいいのと、日頃の屈託ばらしも兼て平川門の橋を渡ってみた。

▲橋の渡り板には奇妙な接ぎ木がいくつもあった。

▲平川門は威圧感のある豪壮なつくりである。
 城跡に入ってみる。私にとっては実に40年ぶりぐらいのもので、近くまで来ることは幾度となくあったが、こうしてしみじみと江戸城址に来るのは始めてである。

▲石垣をじっくり見るのも初めてである。石に爪でひっかいたような跡がある。

▲意図は判らないが、興味深い。
 また、疲れた足を休めるために芝生の広場で一服して、その後方には、天守閣跡があった。

 明暦の大火で焼失したと云う天守閣である。天守閣の石垣には、いまも夥しい火災の跡が残っていた。