新聞に載った日

 午後4時すぎ、雨天。気温摂氏22度。こまかい雨が降っている。幾分肌寒い。午後3時頃、新聞を買おうと近所のコンビニに行くが、あいにく新聞の夕刊の取り扱いはなく、すこし離れた所の新聞販売店まで歩いてゆく。
 この頃は、体調が、どう云うものなのかすこぶる思わしくなく、体全体の血行がわるいような全身の筋肉がこわばっているような感じで、ちょっとした距離の歩行でも頭部に血がゆかぬような意識がぼんやりしてゆくような感じで気持ちがわるいことしきりである。これをすべて加齢によるものの老化現象とかたづけられぬ気もするが、いちいち医者に掛ってもいられぬので老いと云うことにしている。
 こんな軀具合であったが、なんとか新聞販売店に到着し、感じのいい新聞販売店の若い配達員から夕刊を2部購入する。歩きながらぱらぱらと新聞のページをめくっていると、なんと大きく出ている。てっきり小さな記事だと思っていたが1ページの半分ぐらいの紙面でおどろいた。嬉しいと云うより恐ろしい感じがする。これでは私は、しっかりしないといけない人間になってしまったようである。
毎日新聞 夕刊 (記者 鈴木琢磨氏) 8月28日に掲載。