啞の時代

 午後5時半頃、曇天。室内の気温摂氏25度。まだ、夏ではないのに、もう暑い。部屋のなかで下着姿でうろうろしている。
 この程、いよいよ変な法律が決まるようで、これからは日記にも本音が書けなくなった。もっとも、ほんとうの本心は、もともと書けるはずもなく、ある程度の慮りがあるが、それでも密告をおそれて何も書けなく、何も思えなくなるようだ。身の安全を思えば、これからはあらゆる政治的集会には参加せず、権力者の言うがままに一緒に〇○に落ちてゆくしかない。もう〇○〇○が〇○〇から飛んで来ようとも、〇○を信じて〇○に落ちるしかないだろう。私は、もうこれで何か書いたり思ったりすることを止める。無言の業に入るしかあるまい。もっとも、私は、ただの版画家、漫画家であるので絵だけは続けてゆきたい。