猫の油絵

 午後5時半すぎ、雨天。気温摂氏18度。19日は、漫画雑誌「ガロ」の創業者 長井勝一氏の夫人 香田明子さんのお別れ会(青林工藝舎 主催)に出席してきた。会場は、阿佐ヶ谷の新東京会館の三階でたいへん立派な会で、私はひとり場違いなような気もしたが、とにかくテーブルの末席に座った。
 青林工藝舎の編集長 手塚能理子氏の司会でお別れの会は粛々と進行してゆき、林静一氏の献杯の音頭で、私はウーロン茶のグラスを乾していった。香田さんの写真が飾られた祭壇には、大きな花が左右に飾られ、祭壇の壁にはビデオ映像が大きく映し出されていた。
 私も、他の参会者の方々と共に白菊の献花をさせて頂き、合掌をした。ふと、祭壇の写真に目をやると、写真額のよこに小さな額装の香田さんの肖像画があり、それは永島慎二氏の小さな水彩画であった。永島さんも香田さんも、今はもう泉下の人になってしまって、阿佐ヶ谷はすっかり淋しい町になった。
 会の参会者は、林静一氏、池上遼一氏、平口広美氏、根本敬氏、東陽片岡氏、花くまゆうさく氏、島田虎之介氏、松本充代氏、内田春菊氏、など錚々たる顔ぶれの方々であった。
 それから、形見わけで香田さんの油絵、手袋、バックなどを頂いた。油絵は、香田さんが生前から好んで描かれていた猫の絵で、今は、わが家の部屋にきている。

▲この猫をみていると、しぜんと猫のあくびがうつってしまう。