赤瀬川原平氏を読む

 午前5時前、晴天。気温摂氏3度。所謂、冷蔵庫より寒い室外温度である。キッチンはそこそこ寒い。ここは外に繋がっている感じがする。早朝であるが、私たちにとっての昼飯の支度をしている。シジミのみそ汁をつくろうと昆布と厚削りぶしで出汁をとり、火の番をしながら2004年の美術手帖赤瀬川原平特集を読んでいると、なんだか楽しい気分になってくる。氏制作の千円札は勿論、零円札も見ていると楽しい気分になってくる。今では、老人力のほうが氏の仕事として有名であるが、その昔、芥川賞もとったし、ハイレッドセンターもやったし、読売アンデパンダン展にも出品していたのである。
 本のなかの、椹木野衣氏との対談の文章で、80年安保と云う言葉が出てくる。もっとも、80年に安保問題があったわけではなく、これはただ単に言葉にすぎないのであるが、なにか痛いところを突かれた気がした。
 赤瀬川氏の仕事に刺激されて、木版漫画以外のこともやっている。今はまだ発表できる段階にないが近い将来に出してゆきたいと思っている。