漫画制作について

 午後8時前、曇天。気温摂氏7度。さほど寒くない筈であるが、この頃は部屋のなかでエアコンの暖房を25度設定、強風にして、貼るカイロを腰に二枚貼って過ごしている。それでも炬燵に足を入れてないと軀が冷えてくるようである。
 新刊のアックス96号、特集記事の久住昌之氏の「長持ちするものは時間のかかったものだな」の言葉には、たいへんな感銘をうけた。まさにその通りと、膝を叩かんばかりに首肯した。やはり苦労人の年配者の言葉はちがうなと、昨今の20代、30代のテレビや雑誌に進出してきている瞬間的な人たちとは一線を画すものがあると実感した。含蓄の重さがちがうと思ったし、味わいがちがうのである。もっとも、若いひとのなかにも天才的な人たちもいて、それはそれで、はっとさせられるものがある。
 そう、わたしの漫画制作は「時間のかかったもの」として、また「長持ちするもの」にしなければならぬと自戒する。ただ「時間のかかったもの」だけではつまらぬ。「長持ちするもの」は良いものであろうと思う。良いものを作ろうと思う。