墓づくり

 午前10時前、晴天。気温摂氏15度。風がつよい。今日は夕方頃り一段と風が強くなるそうで、ちょっと心配である。
 先日から、指名をうけて墓づくりをしている。墓は私のではなく、両親用であるが、併し両親は健在である。生きているうちから墓の建造を考えるのは如何なものかと思われるが、両親(特に父親)は真剣である。
 私が指名されたときには墓は基礎部分が出来上がっていて、あとは墓標を建てるばかりであった。ここまで出来ていてとくに私に頼んできているのは判然としないが、あとは手続きをするだけである。
 墓づくりをしていると、自分自身の行く末も思われてきて、寂しい気持ちになってゆく。自分だけは死なないつもりでいるが、いや、自分の死は知りえないものであるが、墓と云う具体的な形にすると本当は死ぬものだなと首肯されるようで心寒いものである。