「幻燈」展が終わって

 午前6時まえ。木版漫画集「猫の世界」の冊子づくりはいよいよ終盤に入っている。冊子づくりの手をとめて、ふと、「幻燈」展のことを思い出す。最終日は私も会場に行って権藤晋氏(高野慎三氏)、梶井純氏、山根貞男氏の鼎談を聞いた。話はおもに40年ほどまえの評論活動の逸話や石子順造氏の想い出話で興味深かかった。また、展覧会終了後、下北沢駅近くの居酒屋で15人ぐらいの人数で酒を飲み語らい合った。
 2週間ほどの展覧会がすべて終わって日常生活に戻ると、なにやら物たりないような、気の抜けたような塩梅になっている。普段はほとんど人に逢うことがないから、一度にさまざまな人たちに逢い、話をして、お祭りのような気持ちになっていたのだと思う。
 冊子は順調にゆけば6月はじめには刊行できると思う。今回の冊子は手刷りで木版画を貼り付け、シルクスクリーン印刷で5回5色刷り、木版画で版下をつくって2色2度刷りのオフセット印刷をして、表紙に今まで以上のチカラが入っているので、ここのところを見て貰えればありがたいところである。