岸田劉生展へゆく

 午後0時前、曇天。気温22度。台風19号襲来後、20号、21号と続いている。台風の間隙をついて19日に東京ステーションギャラリーで開催中の岸田劉生展覧会へ行って来た。

 岸田劉生といえば麗子像が有名である。しかし、私の目当ては、赤土が剝き出しの切通し坂を描いた油絵である。この絵には、登り坂を正面から描いたものと、坂を斜めよこから描いた遠景のものがあった。つまり、坂がどのような所にあるのか理解できるようになっている。それから、劉生の自画像の油絵も数点おなじ構図の物があった。そして、友人知人等を描いた肖像画も多数あり、さながら肖像画展覧会のような具合になっていた。

 劉生といえばデューラーを思わせる粘質的な画風をもとめがちになるが、案外、印象派的画風の物も多くて意外の感をつよくする。