22年目の読書

 午後2時すぎ、曇天。気温17度(室内でも)。すっかり寒くなってしまった。暑すぎると思っていた夏は過ぎ去り、今度は台風の連発で疲弊している。野菜も高くなっている。トマトがひとつ200円で、驚いた。

 部屋の整理をしていて、段ボール箱を開けると、古いミニコミ本が出てきた。なんとなくページを繰ってゆくと「私の物語を、もう一度、とりもどすこと」とあった。若い、人生にたいして真摯な態度が共感できた。もっとも、もう私は若くないので、若かった頃の私の感性が22年目にして共感しているのであった。

 55歳になった今は、感動に持続がなく、これも加齢による感覚の劣化が原因と諦めているが、自分が、昔の、若い自分でないのが、ひとしきり淋しい。

 そして、すぐに、22年前の感覚より引き戻されて、今は、台風問題である。特に気になったのは、台風19号を避けて避難所に行ったホームレスが入室を拒否されて雨のなか傘を差して立っていたらしい。人ごととは思えない。住所がないことを理由に避難できないとすると、命の選別になっている。