「令和時代」到来

 午後2時前、曇天。部屋の中の片付けをはじめてひと月以上経つ。いまだ整理がつかず大量の荷物に閉口している。

 混沌とした部屋の中で新時代到来の声を聞いた。新しい時代は「令和」である。大方の予想に反して意外な「令」の文字がつかわれ、「令」は命令の「令」であるとか、安倍政権の右傾化を危惧する声とかあるようだが、私としては、「令」の文字にニスイをつけると「冷」になるなと、咄嗟に思った。が併し、そのような指摘は見当たらない。「冷和」・・・ネット記事のなかには、世界的規模での二極化する格差社会到来がある。資本家と単純労働者だけの社会らしい。労働者は、マニュアル仕事で、二週間もすれば仕事を覚えられ、頭脳労働から切り離される。頭脳労働はIAが担当するらしい。弁護士も会計士もAIがやり、労働者は機械に管理されてゆく。2030年頃には、そう云う世界が展開されているらしい。たしかに人間型ロボットの開発はめざましく、運動能力は人間並みになってきている。このロボットに頭脳が搭載されれば警官や兵士の担当は人間でなくともよい。冷徹な警官に虐待に近い扱いを受ける人間。それを操作する資本家。寒々しいSF的世界が展開されているが、今は、これが現実とは思えない。併し、実際、新規開店のコンビニは無人化され、商品購入もカード決済で、貨幣は使用されない。そして、無人のバス、タクシー、トラック自動車が走り、だんだん世界から人間の姿が消えてゆく。極少数の資本家だけの世界が始まろうとしているのだろうか。