2019年を迎えて

 午前0時前、晴天。気温摂氏2度。ゴミボックスに、もえるゴミを容れようと外にでると、冷蔵庫の中のように寒い。薄着のままだと、さらに冷凍庫のように感じてくる。
 今年は、新年早々の、1日に書初めをした。

▲「貧」の文字を人に見立てて書いてみた。「貧列図」と云う作品名をつけた。
 妻は、この習字を目にすると、眉根をよせて嫌な顔をした。私は弁解しながら「貧」の文字は貝を分けると書くから、決して悪い文字ではないと主張した。しかし、上掲の書は嫌な雰囲気である。貧者のなかにも優劣があり、貧者の中の貧者は居場所を失い、生きてゆけない。
 新年早々縁起でもない不穏な作品であった。しかし、昨今、日本を取り巻く情勢は不安定で、平和な感じではない。この場合の貧しさの原因は、心の貧しさから来ている気がする。ひとは失うものがなくて成功するはずはなく、ここのところが判らず、根拠のない自尊心に溺れると哀れなことになる。それと虚偽の世界に浸かると、もう引き返せないものかもしれない。どれが、ほんとうだったのか判らなくなり、嘘でも押し通せば真実になる世界観に本物の未来はないだろう。・・・なんだか書いていて虚しくなってきた。やはり世界は混沌としていて摑みどころがなく、捕まえても、ぬるりとすり抜けてしまう。
 私の習字は、「二番煎じなアートな気分」に幾枚か掲載してありますので、ご覧ください。