江戸東京たてもの園へゆく

 午後8時、晴天。日中の気温は27度ぐらいまでいったそうだ。暖かい一日であった。今日は、マキコとふたりで、江戸東京たてもの園へ行った。出掛けたのは午後2時半ごろで、園内に着いたのは午後3時をまわっていた。閉園時間は午後5時半である。併し、これだけの時間でも充分で、第一私の足腰がそれだけの長時間には耐えられない。近頃は、1時間歩くだけでも精一杯である。
 園内では、もともと万世橋脇に在った小さな交番の建物を見学。

 そして、交番内にある机に目を瞠った。

 建物のデザインにあわせて机が三角形になっているのが面白い。それから、田園調布から移築した邸宅を見学した。

瀟洒な建物で、大正14年(1925年)に建てられた。

▲室内は、全室洋間になっていて、おしゃれな書斎もある。

▲たてもの園には、擬似的な商店街の通りもある。
 丸二商店は、昭和10年代の店内のようすを再現してあり、実際は目にしたことはない景色だが、知っている部分もあり、懐かしいような気分になる。

▲店内に陳列されてある商品にねずみ取りがあり、それは私が所有している物(未使用品)とおなじで、おどろいた。
 木製の塵取りなどは今では見かけないが、たわし、竹ザルなどは今でもおなじものを使っていて、あまり生活の質に変化はないと思った。

▲村上精華堂は、上野不忍通り沿いにあった小間物屋(化粧品屋)。

▲店舗の奥が長屋のつくりになっている。
 長屋の部屋のまえには植木などが置かれていて、当時の景色が再現されている。また、手押しポンプの井戸もあり、今にもここの住民が部屋から出て来そうな気がする。長屋の部屋は、六畳ひと間に奥に流しがある。また、2階に上がる急角度の階段も狭い三和土のよこに付いている。
 他にも、日本風建築の高橋是清邸を見学した。こちらは建物の内部を見学でき、二階の和風の畳敷き座敷に坐って、窓ガラスから外を眺めると、うねうねした昔のガラス板から緑の林の景色が見えて、気分は一層よくなった。
 帰路、玉川上水沿いのバス停で、バスを待つも、定刻になってもバスは来ず、仕方なく武蔵小金井駅まで歩いていった。途中、1kmほど歩いたところで、バスが通り掛ったので、それに乗り、駅に行った。バスの延着は18分ほどであった。たてもの園へ、向うときは駅からタクシーに乗ったが、帰りはバスをと思い、それがまちがいの元であった。こちらに行くときは、行きも帰りもタクシーで行ったほうがよい。タクシー代、片道910円であったが、バスを待ったり、歩いたりすることを思えば、それのほうがスマートな旅程となる。園内を歩くよりも、外で歩くほうが存外多かった。